歯科

このような症状はありませんか?

・口の臭いが気になる
・口を気にしている
・ごはんが食べづらそう
・よだれが多い
・口から出血している
・くしゃみをするようになった
・急に顔が腫れてきた

当院では歯科治療を数多く行っています

室内犬が増えたことにより、飼い主様が口臭や歯石に気付き、歯石除去の治療を行うことが増えました。歯科処置用のユニット(歯石除去のための超音波スケーラーや抜歯の際の歯科用ドリルなどの器具一式)を揃え、正確で安全な歯科治療を実現しています。また、歯科用の手術器具も取り揃えており、口腔外科にも対応しています。

超音波スケーラー

歯科用ドリルなどの器具一式

歯の構造

歯の表面はエナメル質で覆われており、歯根の方ではセメント質へと替わります。これらの内側には象牙質があり、歯を構成する成分となっています。
さらに内部には歯髄があり、ここが感染すると歯根の方で膿瘍が形成されます。
歯根は歯槽骨に埋まっており、歯根膜により強固に接着しています。歯周病が起こるとこれらが細菌により破壊され、歯が揺れる原因となります。

犬・猫の歯列

歯は前方から切歯、犬歯、前臼歯、後臼歯の順で生えており、それぞれ役割があります。
・切歯・・・食べ物を噛み切る
・犬歯・・・捕えた獲物を逃がさないように固定する
・前臼歯・・・口の中に入れた食べ物を細かくする
・後臼歯・・・細かくした食べ物をさらにすり潰す
・犬や猫の乳歯は生後3〜7ヶ月齢の間に徐々に永久に生え替わります。
最終的に、左右上下合わせて犬は全部で42本、猫は30本の永久歯となります。
(種類や体の大きさによってもともと部分的にない歯もあります(欠歯))

歯石・歯周炎とは

歯石は食後の食べかす(歯垢)と唾液中の細菌が混ざり合ったもので、わずか2~3日で歯垢から歯石になると言われています。
歯石の沈着は歯周炎の原因となり、歯肉(歯茎)が腫れて出血したりするようになります。
さらに進行すると、歯の根っこの周りの顎の骨が段々と溶けていき、歯がぐらぐらと動揺してきます。

歯石は言わば細菌の塊であり、それを常に飲み込んでいる状態なため血流に乗って全身の臓器へ感染が広がることがあり、心臓・肝臓・腎臓などの疾患に発展する恐れがあります。
そのため、口腔内のケアは全身の健康を守ることに繋がるのです。一般的に歯石沈着の有無によって平均で寿命が2年違うとも言われています。
近年、予防歯科の考え方が重要となってきています。進行しないうちに歯石の除去をして歯周炎を予防していくと歯を抜かずに済みますし、将来的な健康も守れます。

全身麻酔の必要性

最近よく、無麻酔での歯石取り処置の話を耳にしますが、実は場合によっては危険であり、歯周病治療の効果はないこともあります。
歯石除去には以下の理由から、全身麻酔下での処置が不可欠です。

①安全面

歯石除去は専用の超音波スケーラーにて行いますが、スケーラーの振動が歯肉にしみるため起きていると痛みや恐怖心を与えてしまいます。
またスケーラーの尖端は尖っており、動物が動くことで誤って口腔内を傷つける恐れがあるため、無麻酔での動く状態での処置は危ないのです。

②治療効果

歯の表面の見える部分だけの歯石を落としても、歯間や歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の歯石が残ることで歯周病は進行していきます。
歯の裏側にも歯石は沈着していくため、これらの部分もしっかりきれいにするためには全身麻酔は不可欠です。

※全身麻酔について

全身麻酔に抵抗がある方もおられるかと思います。 麻酔をかける際には必ず術前検査による健康状態の評価を行い、全身麻酔をかけるにあたって大きな異常がないと判断してから、処置に臨むようにいたします。
全身麻酔に対するリスクについては、通常は健康状態に問題がなければまず重大なことは起こりません。
しかし非常に低確率ですが麻酔薬に対するアレルギー反応も存在し、これは事前に調べる手段もありません。
そのため全身麻酔については「99%安全です」という言い方しかできませんが、これはどの子にも言えることです。

主な疾患

根尖周囲膿瘍、歯漏

歯周病菌が歯髄に感染し、歯根にまで達するとその周囲に膿瘍(膿の溜まり)が形成されます。やがて膿の逃げ道となる瘻管(ろうかん)が作られ、口腔内もしくは口腔外へ開口します。
・内歯瘻
 口腔内の粘膜や歯肉に瘻管が開口した場合。
・外歯瘻
 口腔外の皮膚に瘻管が開口した場合。
 突然眼や顎の下が腫れて出血している場合は根尖膿瘍から生じた外歯瘻である可能性があります。

口鼻腔瘻

上顎の歯の歯周炎により歯の周囲の骨が溶けていき、鼻腔内へと達することがあります。
それにより歯周病菌により鼻炎が発生し、くしゃみ・鼻水といった症状を起こします。通常は原因となる歯を除去しない限り症状は続きます。

口腔内腫瘤

歯周病による炎症で歯肉が盛り上がるように腫瘤を形成することがあり、非腫瘍性の「炎症性ポリープ」や良性腫瘍である「エプリス」などの可能性があります。
これらの場合は周囲の骨への浸潤性は比較的低いですが、中には「メラノーマ」「扁平上皮癌」「線維肉腫」といった悪性腫瘍であることもあり、これらは見た目だけでは判別が難しく診断には実際の腫瘤を病理組織学的検査へ提出する必要があります。
悪性の場合は浸潤性・転移性が強いものもあり予後にも関わってくるため発見したら早めの診断が推奨されます。

全身麻酔下における歯科治療の流れ

1.午前の11:00頃までにご来院いただきます。全身麻酔をかける準備として前日からの絶食が必要です(食事は前日の夜9時まで、お水は当日の朝7時まで)。

2.お預かり後、手術前の評価(身体検査、血液検査など)を行います。

3.検査結果に問題なければ、お昼の時間に手術を行います。

※手術中の写真がありますので苦手な方はご注意

4.午後16:00以降にお迎えとなります。手術の内容や今後についてのご説明をいたします。

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