予防医療

ワクチン接種

混合ワクチン 年に1回(初年度は複数回)

混合ワクチンは法律で接種を義務付けられていませんが、予防できる病気の中には命を脅やかす危険なものもあるため、わんちゃん猫ちゃんの健康を守るためにも接種は必要と言えます。

1年目の子猫・子犬では1回の接種では母体由来の移行抗体がワクチンに干渉してしまうため、得られる効果が不十分です。そこで確実な免疫の獲得のために、複数回に渡って追加接種を行います。通常は生後2ヶ月目で第1回目の接種を行い、4週間ごとに2回目、3回目と接種していきます。2年目以降の成猫・成犬では年に1回の接種となります。(最新のワクチネーションのガイドラインでは、一部のワクチンは3年に1回の接種でも抗体は持続すると言われています)

混合ワクチンの種類

混合ワクチンには様々な種類があります。当院では飼い主様とのご相談の上、わんちゃん猫ちゃんの生活スタイルに適した種類のワクチン接種を提案しています。

<犬>

現在、当院では6種、8種の混合ワクチンを取り扱っております。

  6種混合ワクチン 8種混合ワクチン
犬ジステンパー
犬パルボウイルス感染症
犬伝染性肝炎
犬伝染性喉頭気管炎
犬パラインフルエンザ
犬コロナウイルス感染症
犬レプトスピラ病  
<猫>

現在、当院では3種混合ワクチンを取り扱っております。※5種混合ワクチンは全国的に流通が停止しています。エイズワクチンは常備しておらず、必要な際のお取り寄せになります。

  3種混合ワクチン 5種混合ワクチン エイズワクチン
猫ウイルス性鼻気管炎  
猫カリシウイルス感染症  
猫汎白血球減少症  
猫クラミジア感染症    
猫白血病ウイルス感染症    
猫免疫不全ウイルス感染症    
混合ワクチンで予防できる病気
<犬>

犬ジステンパー

発熱、下痢、神経症状などが起こり、全身がおかされ回復しても後遺症が残ることがあります。死亡率も高い怖い病気です。

犬パルボウイルス感染症

血液の混じったひどい下痢や嘔吐を起こします。子犬では突然死を招くこともあります。伝染性も高く死亡率も非常に高い怖い病気です。

犬伝染性肝炎

アデノウイルスによる感染症で、肝炎を主体とし、嘔吐や下痢、食欲不振などが起こり、目が白く濁ることもあります。子犬では突然死することもある怖い病気です。

犬伝染性喉頭気管炎

こちらもアデノウイルスによる感染症で、主に扁桃炎や気管支肺炎などの呼吸器症状を起こします。犬の呼吸器症候群(ケンネルコフ)の原因の一つです。

犬パラインフルエンザ

パラインフルエンザウイルスによる感染症で、咳や鼻水、くしゃみ、扁桃炎などの呼吸器症状を起こします。犬の呼吸器症候群(ケンネルコフ)の原因の一つです。

犬コロナウイルス感染症

腸炎を起こす感染症で、下痢や嘔吐が起こります。パルボウイルスとの混合感染で重篤な症状を起こします。

犬レプトスピラ病

細菌感染症で、自然界では野ネズミやタヌキなどの野生動物が保菌者であり、排泄物で汚染された土壌や水を経口摂取することでわんちゃんにも感染が拡がっていきます。ヒトにも感染する「人獣共通感染症」で、発生した場合には家畜保健衛生所への届出が義務付けられています。 主に腎臓や肝臓に障害が起こし、血尿や腎不全、肝不全、黄疸、凝固障害などを引き起こします。抗生物質による治療で回復するケースもありますが、致死率は比較的高く、罹患しないことが重要です。ネズミが多く出る地域や、山や河川、沼、ドッグランなどアウトドアの環境へ訪れる機会が多い場合は予防を推奨します。

<猫>

猫ウイルス性鼻気管炎

ヘルペスウイルスによる感染症で、くしゃみや鼻水、咳などの呼吸器症状の他、結膜炎のような眼症状も引き起こします。重症化すると腫れた結膜同士が癒着して目が開かなくなったり、眼球に感染症を起こしてつぶれてしまうこともあります。

猫カリシウイルス感染症

かかりはじめはくしゃみ、鼻水、発熱などの風邪に似た症状を起こしますが、進行すると舌や口の周辺に潰瘍ができることもあります。時には急性の肺炎を起こして死亡することもあります。

猫汎白血球減少症

パルボウイルスによる感染症で、免疫に関わる白血球が極端に少なくなることで高熱、嘔吐、下痢、食欲不振などの症状を起こします。重症化しやすく、体力のない子猫ではたった1日で亡くなることもある怖い病気です。

猫クラミジア感染症

ウイルス性鼻気管炎の症状に類似し、結膜炎、くしゃみ、鼻水などの症状を起こします。

猫白血病ウイルス(FeLV)感染症

持続感染すると約80%の猫が3年以内に死亡します。免疫低下により様々な疾患にかかりやすくなり、リンパ腫のような腫瘍性疾患の原因にもなります。ウイルスは血液、唾液、涙、排泄物などに含まれ、食事の器やトイレの共有、ケンカなどにより伝搬します。

猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症:猫エイズ

免疫不全を起こし、様々な感染症にかかりやすくなります。猫白血病に比べると重症化する可能性は低く、体調やストレスの管理に気をつけて生活すれば寿命を全うできるほど長生きすることもあります。ウイルスは血液や唾液に含まれ、ケンカによる伝搬が圧倒的に多いとされています。

狂犬病ワクチン(主に犬) 年に1回

狂犬病はすべての恒温動物が感染する可能性があり、発症すると確実に死に至ります。生後90日齢以降のわんちゃんは飼い始めてから30日以内に1回、その後は年に1回の接種が法律で義務付けられています。日本は数少ない狂犬病の清浄国ですが、これは集団接種ができているために発生がないのです。横浜市では狂犬病予防接種時の鑑札・注射済票の発行を動物病院にて可能です。

寄生虫予防

フィラリア 月に1回 予防期間:5〜12月

フィラリアとは

フィラリアとは、蚊を媒介して感染する糸状の寄生虫で、別名「犬糸状虫」と呼びます。フィラリアの幼虫は蚊や動物の体内で脱皮を繰り返して成長していきます。幼虫であるミクロフィラリア(L1)が、蚊の体内で感染形の段階(L3)まで成長します。そしてそのL3が蚊の吸血によって動物の体内に侵入し、皮膚や筋肉組織で2〜3ヶ月かけて未成熟虫(L5)まで成長します。感染してから約6ヶ月後に血管内に移行し、最終的には成虫が心臓の肺動脈内に寄生することで病害を起こすようになります。

どういう病気?

成熟したフィラリアが肺動脈や心臓内に移行することで血液の流れが悪くなり、食欲不振・元気消失・体重減少・咳をする・お腹が張ってくるなどの症状を起こします。放置すれば死に至ることもある危険な病気です。ちなみに、猫ちゃんのフィラリア症も存在します。

予防方法

フィラリア症は、本来お薬にて100%予防可能な病気です。大切なご家族の健康を守るためにも予防は推奨されます。成虫になると駆虫するのはとても大変で、月に1回、薬を使用して幼虫段階で駆虫することで予防していきます。

蚊の活動期間:4月中旬〜11月中旬
お薬投薬期間:5月中旬〜12月中旬 ←1ヶ月のずれがあります!

どうして12月まで内服するの? フィラリアのお薬は実は「1ヶ月間持続する」のではなく「1ヶ月に1回、体内のフィラリアを駆虫する」お薬です。お薬は発育段階の一部に作用するため、11月を最後にするとそれ以前の発育段階の虫が残ってしまう可能性があるのです。

なぜ投薬前に検査が必要?

もしフィラリアの成虫が感染している状態でお薬を使用すると、心臓内の成虫の死体が肺動脈内で詰まってしまうため大変危険です。そのため、投薬前には成虫抗原が陰性であることを調べておく必要があります。

ノミ 月に1回 予防期間:4〜12月または周年

ノミの生活環

動物の体に付着して産卵し、床に落ちた卵が孵化して幼虫を経て成虫になり、また動物に寄生するというライフサイクルを繰り返します。ノミの寄生により各種症状を起こすだけでなく、重大な病原体の媒介となることがあります。ノミは気温13℃以上で活動すると言われており、冬の時期でも暖房のきいた部屋は暖かいため年中の予防もおすすめです。また、ノミは外にしかいないイメージですが、人間の靴の中に侵入したノミが家の動物上で増殖することもあるため、完全室内飼いの子でも予防が推奨されます。

ノミが原因となる病気

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液によるアレルギーで、皮膚に強い痒みを起こします。背中側の皮膚が痒くなることが多く、しきりに背中を気にしていたり、毛が薄くなっている場合はノミの寄生があるかもしれません。

大量寄生による貧血

ノミは吸血をして増えていきますが、大量に寄生して吸血を受けるとそれにより貧血を起こすことがあります。重大な貧血の場合は口の中が白っぽくなり食欲・元気も落ちていきます。

瓜実条虫

いわゆるサナダムシで、米粒のような小さくて白い虫の片節がお尻周りや便に付着していることがあり、ノミがこの寄生虫の媒介になることがあります。

猫ひっかき病

バルトネラ属菌と呼ばれる菌がノミを媒介として猫に感染し、人が感染猫に噛まれたり引っ掻かれ菌が伝染すると病害を起こす人獣共通感染症です。人では傷口の発熱・痛みの他、全身のリンパ節の腫れを起こします。

マダニ 月に1回 予防期間:4〜12月または周年

マダニの生活環

マダニは主に外界のいたるところに生息しており、草むらや砂場など行くことの多いわんちゃんは感染機会が増加します。顔や耳、お腹の付着していることがよくあります。マダニは動物の体に付着して吸血し、何倍もの大きさに膨らみます。その後マダニは地上に落ちて産卵して増殖していき、新たに若いダニが動物へ寄生します。吸血による貧血の他に、重大な病原体に感染することがあるため予防は大事です。

マダニが原因となる病気

重症熱性血小板減少症症候群(SFTS)

マダニを介してウイルスが感染し、下痢・嘔吐などの消化器症状や発熱などを起こします。動物だけでなく人にも病害を起こす人獣共通感染症です。日本では西側を中心に報告例が拡大・増大してきており、中には感染した人の死亡例も報告されています。

バベシア症、ヘモプラズマ症

マダニを介した原虫(寄生虫の一種)やマイコプラズマが血液中の赤血球を破壊し、溶血性貧血を起こします。貧血が重篤化すると死に至ることもあります。

注意 もしマダニがご自宅のわんちゃん猫ちゃんに付着していても、素手で取ろうとしないでください!病原体が感染する恐れがあります。

内部寄生虫 年に4回

消化管内に寄生し、回虫・鉤虫・鞭虫・条虫などがあります。感染していても無症状のこともありますが、下痢や血便、体重減少などの症状を起こすこともあるためしっかりと予防していきましょう。毎月の予防は必要ありませんが、最近ではフィラリアのお薬が内部寄生虫への効果もあるため一緒に予防可能です。

当院での予防薬

最近では一つのお薬でフィラリア・ノミ・マダニ・内部寄生虫の全体が予防できるオールインワンタイプのお薬が主流となってきています。当院で取り扱っているものは様々な予防範囲と剤型があり、その子に合わせたお薬の処方が可能ですので気軽にご相談ください。

<犬>

ネクスガードスペクトラ

「ソフトチュアブル」という柔らかいフレーバーの付いているお薬で、おやつ感覚で投薬可能です。オールインワンタイプで当院で最も人気です。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
 

クレデリオプラス

錠剤のオールインワンタイプのお薬で、錠剤の方が飲みやすい子向けです。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
 

アドボケート

内服ではなく皮膚に垂らすタイプのお薬です。マダニには効きませんがフィラリアをはじめとして幅広く予防可能です。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
     

カルドメックチュアブル

ソフトチュアブルタイプのフィラリア予防薬です。ノミ・マダニは別途予防が必要です。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
       

ネクスガード

ソフトチュアブルタイプのノミ・マダニ予防薬です。フィラリアは別途予防が必要です。フィラリアも含むオールインワンタイプに「ネクスガードスペクトラ」があります。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
         

フィプロスポットプラス

皮膚に垂らすタイプのノミ・マダニ予防薬です。フィラリアは別途予防が必要です。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
         
<猫用>

レボリューションプラス

皮膚に垂らすタイプのお薬です。フィラリアやノミはもちろん、マダニまでカバーできます。それ以外には耳の中に寄生するミミヒゼンダニにも有効とされています。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
   

ネクスガード キャットコンボ

皮膚に垂らすタイプのお薬です。フィラリアやノミはもちろん、マダニまでカバーできます。それ以外には耳の中に寄生するミミヒゼンダニにも有効とされています。

フィラリア ノミ マダニ 回虫 鉤虫 鞭虫 条虫
 

健康診断

わんちゃん猫ちゃんは人間の4〜5倍の速度で年をとると言われており、健康を守るためには病気の早期発見が重要となってきます。視診・触診・聴診などによる身体検査はもちろん毎回行いますが、状況や要望に応じて血液検査や尿検査、便検査、画像検査(レントゲン、超音波)なども組み合わせて行います。

当院では春や秋の時期に健診のキャンペーンも実施しておりますので、機会を利用して定期的に健診を受けていただくことをおすすめいたします。また、新しく家族に迎えたばかりの子犬・子猫ちゃんの場合は予防接種も含めた健康管理の案内も実施しています。

血液検査

貧血や炎症反応の有無や各臓器の機能、血糖値や中性脂肪、電解質、ウイルス感染、内分泌ホルモンなどを調べます。

尿検査

尿の濃さや尿中の成分(pH、タンパク質、糖、潜血、細菌、結晶など)を調べます。

便検査

便中の細菌のバランスや寄生虫(虫卵、原虫)の有無を調べます。

レントゲン検査

胸部の撮影では心臓のサイズや肺野の状態、腹部の撮影では各臓器の位置関係や腫瘤性病変の有無などを調べます。また、背骨や四肢の骨の評価も同時に行います。

超音波検査

各臓器の形態・構造や貯留液(胸水、腹水)の有無などを調べます。

避妊・去勢手術

いつ手術をするのが良いの?

性成熟(生殖能力が備わること)が完了する生後6ヶ月齢を過ぎた頃から手術が受けられるようになります。早期に手術を行うことでホルモン関連性の病気の発症を有意に抑えられます。

女の子のわんちゃんは、半年に1回ほどのペースで発情期が訪れますが、この時期は子宮や卵巣への血流量が増加し、手術時の出血量も多くなるため発情期を避けて行うのが望ましいです。

メリット デメリット
・飼いやすくなる
・マーキング行動の軽減
・発情のストレスからの解放
・ホルモン関連性の病気の予防
・繁殖に供することができなくなる
・太りやすくなる
・全身麻酔が必要
・縫合糸に対する免疫応答
・術後のホルモン反応性失禁(まれ)
<メリット>

飼いやすくなる

性格が大人しくなり、落ち着いてきます。特に男の子はその傾向が強いです。

マーキング行動の軽減

臭い付けのためのおしっこを色々な場所にする行動が軽減し、尿の臭いも弱くなります。

発情のストレスからの解放

女の子の発情は、身体にとって負担となります。6歳以上になってくるといわゆる更年期障害(食欲不振、嘔吐、下痢、不整出血など)も出てきます。去勢していない男の子は、発情している女の子が近くにいると強い衝動・ストレスを感じます。

ホルモン関連性の病気の予防

女の子 ①乳腺腫瘍
乳腺にできる腫瘍で、良性・悪性の比率はわんちゃんで5:5、猫ちゃんで1:9と言われており、猫ちゃんではほとんど悪性です。3回以上の発情がくると将来的な発生率が変わらなくなると言われています。

②子宮蓄膿症
子宮内の細菌感染により膿が溜まってしまう病気です。免疫力が低下する発情期周辺で発症しやすくなります。発症すると急激に食欲・元気が低下し、進行すると命に関わります。怖い病気ですが、本来は避妊手術をしておくことで予防可能です。
男の子 ①前立腺肥大
前立腺は陰茎より後方に位置する副生殖器で、腫大することで尿道や消化管を圧迫し、血尿や排便障害などの原因となります。

②精巣腫瘍・肛門周囲腺腫瘍
高齢化すると精巣自体が腫瘍化することがあり、中には悪性に分類されるものもあります。肛門周囲にも腫瘍ができることがあり、男性ホルモンの影響と言われています。

③会陰ヘルニア
肛門周囲の筋肉が男性ホルモンの影響で薄くなり、そこに穴が開くと消化管が入り込み排便障害を起こします。穴を塞ぐ手術をすることもありますが、再発率が高いと言われています。
<デメリット>

太りやすくなる

避妊・去勢手術後はホルモンバランスの変化により代謝3割減・食欲2割増になると言われています。それにより今までの食事量では体重が増えていってしまう可能性がありますが、食事管理で予防可能です。

全身麻酔が必要

避妊・去勢手術共に全身麻酔が必要です。全身麻酔に関してのリスクについては、通常は健康状態に問題がなければまず重大なことは起こりません。必ず血液検査などによる状態の評価を行ってから手術に臨みます。しかし非常に低確率ですが麻酔薬に対するアレルギー反応も存在し、事前に調べる手段もありません。そのため全身麻酔については「99%安全です」という言い方しかできませんが、これはどの子にも言えることです。

縫合糸に対する免疫応答

手術の際に使用した縫合糸に対する免疫応答により炎症性の肉芽組織を形成することがあります。しかし通常は反応しにくい吸収性の糸を使用するため、非常に低確率です。

術後のホルモン反応性失禁

性ホルモンの分泌量の変化によりまれに尿漏れを起こすことがあります。

手術方法
<去勢手術>

左右にある精巣(睾丸)を摘出します。通常、精巣は発育段階で陰嚢内へ下降しますが、生後3ヶ月齢を過ぎても下降せずに鼠径部や腹腔内に残るケースもあり(潜在精巣)、その精巣は将来的に腫瘍化しやすいため摘出が推奨されます。

<避妊手術>

当院は卵巣摘出手術にて避妊手術を行います。雌の生殖器は「子宮」とその先にある「卵巣」で、この両方を摘出する手術法もありますが、卵巣のみの摘出でも避妊効果には問題なく、術創が小さくて済む、子宮を摘出することによる合併症(切断面の炎症・癒着など)を予防できるというメリットがあります。 ※発情や出産などの影響で子宮全体に異常が生じている場合は、安全性を考慮し子宮卵巣全てを摘出する術式に切り替えることがあります。

当院で行う手術の特徴
①糸を使わない手術法を取り入れています!

当院では避妊・去勢手術の際に血管シーリングシステムにより、熱で血管を止血することで縫合糸を使わない手術が可能です。(※追加費用がかかるため、任意でお選びいただけます)

血管シーリングシステムによるメリット
・体内に異物(縫合糸)が残らない
・手術時間の短縮
・出血や術後の炎症反応が最小限に抑えられる

精巣や卵巣を摘出する際は周囲の血管を遮断する必要があり、通常は縫合糸で結んで行います。この方法でも特に問題はありませんが、縫合糸に対する免疫応答(上記の手術のデメリット参照)が起こることがあります。当院で糸を使用する際は極力反応が起こりにくいものを選択しており、約半年かけて体内に吸収されるため将来的には異物として残ることはありません。しかしながら、それでも稀に免疫応答を起こしてしまうケースがあります。

血管シーリングシステムはこのようなリスクを予防できる他に、糸で結ばない分手術時間が短縮できる、出血や炎症反応も最小限に抑えられるといったメリットもあります。そのため、より安全性が高く動物たちの負担を少しでも減らす手術方法としてご選択いただけます。

②抜糸・エリザベスカラーの着用は不要!

避妊・去勢手術共に、後日の抜糸は不要です。エリザベスカラー着用による保護も必要ありません。

去勢手術(猫) 去勢手術(犬)・避妊手術(犬・猫)
縫合自体行わず、術部は自然に癒合します。 皮膚は縫合しますが、糸が外側に出ない内反縫合にて行うため、抜糸は不要となります。
③当日退院可能です!

原則、避妊・去勢手術共に日帰りにて手術が可能です。午前中にご来院・お預けいただき、午後(夕方16:00以降)のお迎えとなります。 ※高齢・出産歴のある子などの避妊手術において、子宮卵巣全摘出術になると一泊入院が必要な場合もあります。

手術当日の流れ
  1. 午前の11:00頃までにご来院いただきます。全身麻酔をかける準備として前日からの絶食が必要です(食事は前日の夜9時まで、お水は当日の朝7時まで)。
  2. お預かり後、手術前の評価(身体検査、血液検査、胸部レントゲン検査)を行います。
  3. 検査結果に問題がなければ、お昼の時間に手術を行います。
  4. 午後16:00以降にお迎えとなります。手術の内容や今後についてのご説明をいたします。
  5. 手術してから7日前後で術部のチェックにお越しください。経過に問題なければ再診終了です。※猫ちゃんの去勢手術では再診の必要はありません。
去勢・避妊手術はすべき?

「手術を無理に行わず自然のまま過ごさせてあげたい」という考え方もあります。しかし、においを嗅ぎに行きたいのに怒られる、発情がくるのに交尾できない・・・人間の家族の一員として生活する動物にとって、本当にそれが自然でしょうか?家族で飼育されている動物の視点から考えると、避妊・去勢をしないことが必ずしも自然でないことが分かります。

もちろん、手術の是非についてはメリット・デメリットをしっかりご理解いただいた上で、ご家族の皆様で決めていただければと思います。ご不明な点・不安な点などがあれば、ご納得のいくまで説明をいたしますので、気軽にご相談ください。

歯科処置

歯周病は口の中の問題だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。日頃からの歯磨きや定期的なクリーニングにより口の健康を保つことが大事です。

当院では「予防歯科」の考えに重きを置いています。歯は歯周病の進行によりどんどん脆弱になり、最終的には抜歯が必要になります。それに伴い口臭が強くなったり、強い痛みが発生して食欲などにも影響が出てくるため、その手前でクリーニングをすることで健康維持をしていくという考え方です。詳しくは、歯科のページをご参照ください。

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